先日、今後の地域農業を考える「人・農地プラン久保手地区座談会」が開催されました。
農家の高齢化による田畑の放棄放作の増加や、それに伴ったイノシシなどの有害鳥獣被害が拡大する昨今において、今後の農地の活用を考える事が毎回議題となるこの座談会。
当地区では農家の他、ベルウッドヴィンヤード・サンシャインファーム・本沢農産の法人3社が地区内の農地を利用しています。
そんな中、農家が集まって将来の農業を語り合っても「農地を縮小しながらもやれる事は頑張るべー。」「年々イノシシの被害が酷くなっている、、、」といった話題が関の山で、「農地は農家に任せっきりで行政は何も手を施してくれない」という不満がオチになるのが毎回のパターン。
役所方々は(当地区で農地の集積化や集落営農・法人化を考えて欲しい...)という圧力がなんとなしに感じられます。
ですが高齢化に拍車がかかる当地区で、これから「久保手チーム一丸!」となる気力は無く、正直言えば地区民に農地を守っていく力は既にありません。
なので情けない話ではありますが、将来のイメージとして法人3社と後継者がいる農家数件が先頭経って農地を守っていく体制になるのかなと。(もちろん法人会社や新規農家が更に増え農地を活用してもらうのは大歓迎!)
個人的な意見としては久保手集落に法人新規参入や新規就農者が舞い込む集落モデルとなり行政の後押しや地区内の盛り上がりをみせて他集落等で参考して頂くのが理想です。
ですが、これでは根本的な解決には程遠いです。
十数年前までは農家数が多かったので将来の農地について問題視されませんでした。
これからは農家は激減。国民も減少します。
放棄放作は更に増え、イノシシ等の有害鳥獣は駆除しきれず増え続けます。
残された数件の農家では農地を守り切れません。
これって農家や集落に丸投げでいい話ですかね??
どーしたら解決するのでしょうか?
そもそも解決しなくてもいいのかな?
ワイン作りが盛んなヨーロッパ内に
「あのブドウ畑の風景を守っているのは私たちよ!」と多くの消費者が胸を張って発言している国があります。
その国では様々なワインの個性を認め、ワイナリーや生産者を敬い、買い手が「今年はどんなワインが仕上がってくるのだろう!」毎年ワクワクして心待ちしているそうです。
もちろんその状況下では、ワイナリーやブドウ農家は生産意欲に満ち、買い手からのプレッシャーで仕事が楽しくてしょうがないでしょう(笑)
消費者には責任があるということをこの国の国民は自覚しています。
これはワイナリーやブドウ農家などに限った話ではありません。
また、我々農家は生産者でありながら同時に消費者でもあります。
実は消費者は生産もしていて、更にいえば消費者も生産者も存在しません。
人が生活をする以上、生産も消費も表裏一体なのです。
これに気づいてから私は、微力ではありますが以前よりもっと大きな目を持って買い物をするよう心がけています。
『三方良し』(売り手よし・買い手よし・世間よし)に(農地よし)を付け加えて
『四方良し』を目標とすることが農業側近の課題と思います。
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